2012年5月15日、ブリザード・エンターテインメントが発売した『Diablo III』の発売直後、常時オンライン接続の要件によってサーバーが混雑し、多くのプレイヤーに「サーバーが混雑しています。後でもう一度お試しください。(Error 37)」というエラーメッセージが表示された事象。ネット上でミーム化し、オ
2012年5月15日、ブリザード・エンターテインメントが発売した『Diablo III』の発売直後、常時オンライン接続の要件によってサーバーが混雑し、多くのプレイヤーに「サーバーが混雑しています。後でもう一度お試しください。(Error 37)」というエラーメッセージが表示された事象。ネット上でミーム化し、オンライン認証による失敗事例として語り継がれることになった。
何が起きたのか
2012年5月15日、太平洋時間の午前0時にDiablo IIIが発売されました。ファンが待ちに待った発売の瞬間だったのですが、その直後から多くのプレイヤーが同じ経験をします——買ったゲームを起動しても、サーバーに接続できず、「The servers are busy at this time. Please try again later. (Error 37)」というメッセージが画面に表示されるのです。
Diablo IIIの大きな特徴は、シングルプレイのゲームであっても、常にインターネットに接続していることが必須だったということです。つまり、オフラインでプレイすることは一切できず、サーバーにつながらなければゲームを起動すらできません。発売日のアクセス集中によってサーバーが処理しきれず、多くのプレイヤーが門前払いを食らったわけです。


なぜ常時オンライン接続だったのか
Diablo IIIの常時オンライン方式については、当時のコミュニティではプレイヤーが様々な推測をしていました。
何にせよ、この設計が発売日の大混乱を招く直接の原因になったのは確実です。もしオフラインモードが用意されていれば、サーバーがつながらなくてもプレイヤーはシングルプレイを楽しむことができていたでしょう。


時系列と被害状況
| 日時(太平洋時間) | 出来事 |
|---|---|
| 2012年5月15日午前0時 | Diablo III発売。直後からError 37が多発 |
| 2012年5月15日午後11時50分 | ブリザード発表:全システムがおおむね安定稼働 |
| 2012年5月17日 | ブリザード謝罪声明発表。予定していたリアルマネーオークションハウスの開始を延期 |
| 2012年5月23日 | 24時間で350万本超の販売を発表 |
ブリザードの公式発表によれば、同日夜の11時50分(太平洋夏時間)には全システムがおおむね安定稼働状態に入ったとされています。ただし、障害が完全に消えるまでにどのくらいの時間がかかったか、また発売後何日間に渡って問題が続いたかについては、資料によって表現が異なります。


Error 37がネット文化になった瞬間
エラーコード「37」がなぜこんなに有名になったのかというと、それは単なる技術的な失敗ではなく、ネット上で瞬く間にミーム化したからです。Twitterでは「#error37」のハッシュタグがトレンド入りし、プレイヤーたちは自分たちのフラストレーションを、このエラーメッセージに向けてぶつけました。
「Error 37」という文字列自体が、「買ったのに遊べない」という怒りと失望を象徴する記号になったのです。コミュニティではジョークやミームとして広まり、その後のゲーム業界における「発売日の不具合」が話題になるたびに、「Error 37の時代から何も学んでないのか」という文脈で引き合いに出されるようになります。


ブリザードの謝罪と販売数の矛盾
2012年5月17日、ブリザードは謝罪声明を発表しました。声明では、発売から数時間以内に技術的な問題が発生し、エラーメッセージとログインの困難さが生じたことを認め、「準備が十分でなく、すべての人にスムーズな体験を提供できなかったことを残念に思う」という内容のコメントが出されました。また、5月22日に予定していたリアルマネーオークションハウスの開始を延期することが発表されました。
興味深いことに、同じ時期にブリザードは別の数字も発表します。発売後24時間で350万本超を販売し、当時のPCゲームとしては最速の販売記録を打ち立てたというものです。(ただし、これとは別にWorld of Warcraftの年間パス特典として120万人にDiablo IIIが配布されたという事実も存在しています。)つまり、「サーバー障害で謝罪」と「記録的な販売数」という一見矛盾した二つのニュースが同時に浮上したわけです。


その後の立て直し——オークションハウス廃止と拡張版
Error 37は単なる発売日の技術的トラブルに終わりませんでした。その後、Diablo IIIはさらに大きな問題に直面します。それが、リアルマネーオークションハウス(Real Money Auction House)です。ゲーム内のアイテムを実際の金銭で売買できるこのシステムは、プレイヤーの不満が蓄積していきました。
2013年9月17日、ブリザードはこのオークションハウスを廃止することを発表しました。そして2014年3月に正式に閉鎖されたのです。同じ年の3月25日には、拡張版『Reaper of Souls』が発売され、新しいクラス「クルセイダー」やアドベンチャーモードなど、ゲーム体験を大きく変える要素が導入されました。これらの変更を通じて、Diablo IIIは徐々にプレイヤーから信頼を取り戻していきます。
実際のところ、Diablo IIIはその後、多くのプレイヤーに支持されるようになりました。Kotakuのレポートによれば、2015年8月までに累計3,000万本を販売しており、Error 37からの見事な回復劇となったのです。


ゲーム業界に残した教訓
Error 37とそれに続くDiablo IIIの一連の出来事は、ゲーム業界にいくつかの大事な教訓を残しました。
まず、常時オンライン接続の是非です。シングルプレイでもサーバー接続を必須にすれば、発売日のサーバー障害時には多くのプレイヤーが遊べなくなるリスクがあります。Error 37はその典型的な例として、その後の大型ゲーム発売時に度々言及されることになります。
次に、発売直後の不具合への対応です。ブリザードは謝罪声明を出し、オークションハウスの開始を延期することで、一部の信頼を回復させました。こうした初期対応が、その後のゲーム企業の対危機対応マニュアルの参考例として機能するようになります。
そして最後に、失敗からの立て直しです。Error 37とその後のシステム的な問題を経ても、Diablo IIIが最終的には多くのプレイヤーに支持されるようになったという事実は、ゲーム業界における「失敗からの回復可能性」を示すものとして語り継がれています。
まとめ
「Error 37」とは、2012年5月15日にDiablo IIIが発売された際に、常時オンライン接続の要件とサーバー混雑によって、多くのプレイヤーが経験した象徴的なエラーメッセージです。シンプルな数字と文字列でありながら、この事象はネット文化の中でミーム化し、「オンライン認証の失敗」「発売日の混乱」を代表する言葉として今も語り継がれています。
同じく5月15日に24時間で350万本の販売を達成したという数字は、ゲーム自体への期待の大きさを物語っていますが、一方で多くのプレイヤーがそのゲームを発売日に遊べなかったという矛盾も象徴しています。その後のオークションハウス廃止や拡張版『Reaper of Souls』の登場を経て、Diablo IIIは徐々に信頼を回復していきました。
この一連の出来事は、ゲーム業界が「発売日の不具合回避」「プレイヤーとの信頼構築」「失敗からの立て直し」について真摯に向き合うようになるきっかけの一つになったと言えます。Error 37は、単なる過去の失敗ではなく、ゲーム文化史における重要な節目として記憶され続けているのです。
参考にした情報源
- Kotaku: How Blizzard Saved Diablo III From Disaster (Jason Schreier, 2017-08-01)
- Game Informer: Blizzard Apologizes For Diablo III Launch Problems (2012-05-17)
- Engadget: 3.5 million people bought Diablo 3 in the first 24 hours (2012-05-23)
- Marketplace: Diablo Down. #error37 (2012-05-16)
- GameWatcher: Diablo 3 Error 37
本記事は上記の公開情報をもとに構成しています。会話部分は解説のための演出です。
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